ロンドンのインテリア研修で泊まったホテルは3箇所。
その中で最も今のロンドンらしいと思ったホテルは、『ヘイマーケットホテル(Haymarket Hotel)』。
このホテルは、ファーストデールグループの一つ。
デザインはキット・ケンプ(Kit Kemp)というロンドンを代表するデザイナーですが、
彼女のご主人はファーストデールグループのオーナー。
つまり、彼女の本当にやりたいインテリアを心ゆくままにデザインしたというところでしょうか。
私たちインテリアデザイナーはクライアントのご要望によって、
しばしばデザインを変更せざるをえないことがあります。
全体の調和を考えた時、とても惜しいなと思うこともあります。
でも、このホテルグループはのびのびとデザイナーがデザインしたワクワク感が漂っているのがとても魅力だと思います。
下は私の泊まったお部屋。最上階でとても贅沢でした。
アクセントカラーはビビットピンクですが、ファブリックがコットン、リネン、ウールなどの上質な自然素材を使ってあるので、実際はとても落ち着いて心地よいお部屋です。
驚きなのは、カーペットのグレードの高さ。写真ではお伝えできないのが残念です。
足触りの良さは今まで泊まってきたホテルの中では一番。
ここではスリッパを履かずに素足で過ごしていました。これは私の仕事の参考になりました。
柄のクロスに柄のカーテン、、たくさんの柄を組み合わせているのが楽しい。
日本の数寄屋などのインテリアと大きく違うところですね。
でも、伝統的な着物では、多様な色と柄の組み合わせをします。
ですので、思い切って色々な組み合わせに挑戦しても良いかもしれないと思いました。
お友達のインテリアコーディネーターの方々とご一緒だったので、それぞれ別々のお部屋をとり満喫しました。
こちらはお隣のイエローの部屋。
ブラックとイエローというインパクトのある組み合わせですが、
先のお部屋と同じくたっぷりの天然素材を使ってあるので、心地よくくつろげる空間になっています。
テーブルに使ってある木も古木のような仕上げになっています。
最後のお部屋は階段を何段か下りた別棟のお部屋です。
グレーのクロスがとても赤を美しく映えさせるための役目をしていました。
ヨーロッパやアメリカでは、このようにグレーをベースカラーとしてとても上手に使うことが多いですね。
椅子張り地やカーテンの素材はふわふわのウールやコットン。
おそらく、かなり高価なファブリックとお見受けしました。アートもワクワク感を引き立てています。
デザインモチーフはおそらくオーストラリア先住民やアフリカの暮らしで
使っていた柄などではないかと思いましたが、それを現代のラグジュアリーなインテリアスタイルに
うまく落とし込んでいるところがすごいなあという感想です。
自分では思いつかないインテリアスタイルの中で過ごすことで、
大きな発見ができました。やはりインテリアは楽しい。